発達障害は増えているか
素朴な疑問。
「最近よく聞くけど、発達障害って増えているの?」
日本では、発達障害を疑われる児童は約67万人。1クラスに平均2,3人ずつになる計算です。
結論から言うと、残念ながら「わからない」のです。
それは、最近わかってきたことが多い分野なので、研究の期間自体が短いからです。そのため、「長年の研究結果」のように客観的なデータで増えたかどうかが比較できないのです。
ただ、発達障害の原因は、まだはっきりとはわかっていないものの、「遺伝子が関連している」と多くの研究者、専門家が認めています。そこから想像すると、遺伝子が急激に変化するとは考えにくいので、「最近、発達障害が増えた」というのはなさそうです。
今のところ、一番可能性の高い答えは「急に増えることはない」です。
そうすると、「どうして増えたと感じるのか」です。
「発達障害」という言葉が最近広く知られるようになったことや、近年脳の仕組みがわかってきたことなどから、発達障害を疑われる子ども(大人も)が増えた様に感じるのかもしれません。
また発達障害は、症状が人それぞれで判断が難しいことや、まだ明確な原因がわかっていないことなどから、少しでも変わっていると「発達障害の疑い」となってしまいやすいことも否定できないと思います。
それでも診断がどうであれ、本人や周りが「困った」という壁を感じていることには変わりありません。発達障害は増えていなくても、実は「困った」を抱える子どもや親御さんが増えているとも考えられるのではないでしょうか。いずれにせよ、適切な支援、サポートはきっちり増やすべきです。