実は大切な「眼」の働き
スマホやゲームを長時間使用することで眼が寄ってしまう「急性内斜視」が話題になっています。
特に若者、子どもに増えていることがニュース等でも取り上げられています。
人は五感の中で、眼からの情報に約9割頼っていると言われています。
学校生活では欠かせない、板書、お手本を見て書く、体を動かす・・・
全て眼からの情報がとても大切な役割を果たしています。
私たちの眼の周りには6つの筋肉があります。
眼の上下、内外、斜め上、斜め下を支えるもので、合わせて「外眼筋」と呼ばれています。
この筋肉は、人それぞれ生まれつきの個性があり強さが少しずつ違います。
また日常生活での眼の使い方によって強さが変わっていきます。
内側に引っ張る筋肉が強かったり、外側に引っ張る筋肉が弱かったりすると眼の位置は内側に寄ります。
そうすると正面のものを見るときに、外側の弱い筋肉が頑張って眼を真ん中に動かします。
眼の筋肉は心臓の筋肉と同じで強くて疲れにくいのですが、
物を注目して見るたびに弱い外側の筋肉が頑張るので、眼が疲れやすくなります。
さらに、これが続くと、眼の周りのしわも増えてしまいます。
逆に、外側に引っ張る筋肉が強かったり、内側に引っ張る筋肉が弱かったりすると眼の位置は外側に寄ります。
そうすると、視野が広くなるので眼から入ってくる情報量も増えます。
周りが気になって注意力が散漫になりやすいとも言われています。
特に勉強は近くを注目して見るため、眼が疲れやすく集中力が続かないことも考えられます。
その他、上下の筋肉の強さに差があれば平衡感覚を保つことが難しく、物を見るときに体が傾くことがあります。
外眼筋の個性だけでなく、学校の視力検査ではわからない眼の機能が、実はたくさんあります。
特定の距離だけ視力が落ちてしまう子もいます。
動かないものは見えるのに、動いているもを眼で追う力が弱い子もいます。
実際に、教室の中に入らず授業中廊下で好きなことをしていた子が、
実は見えていなかったために、自分の教室や机の場所がわからなかっただけ、というケースもありました。
このように視機能が原因で、日常生活に困りごとが出てくる場合もあります。
だからといってスマホやゲームを禁止するのは、無理な話だと思います。
スマホやゲームはほどほどにして、たくさん眼を動かして、たくさんのものに注目して、眼を通してたくさんの経験を積み重ねていくことが重要だと言われています。
ビジョントレーニングや眼(外眼筋)のストレッチを1日5分だけでも実践してみると見える世界が変わるかもしれません。