誤解されやすい発達障害
子どもたちが普段頑張っていることのひとつに「宿題」があります。
例えば、
勉強はあまり好きではないけど、夕飯の前に宿題をやらなければいけない。
今日は学校で体育もあった。
放課後、外で走り回った。
お腹がすいているし、疲れているし、遊びたいゲームや見たいテレビもある。
でも、今宿題をやらなければ、明日学校で先生に怒られる。
「やるべきことをやらないのは怠けているからだ。」
「できる問題なのにやってこないのはズルだ。」
親からも怒られます。
「宿題をしなさいって言ったでしょ。どうして言うことが聞けないの。」
「大人の言うことは反抗せずにちゃんと聞きなさい。」
自分でも勉強はやった方がいいかな、と何となく思う。
面倒くさいけど、何とか頑張ろう!
そう自分を励ましながら机に向かう子は多いと思います。
そんな中で、宿題をやらない友達がいたらどうでしょうか。
先生や親からいつも言われているように怠けている。ズルだ。大人に反抗する子だ。と思うのが自然です。
実は、この宿題を何とか頑張ってやり遂げた子、
勉強以外にも、脳のたくさんの機能をフル活用しているのです。
具体的には、
やるべき宿題があると覚えておくこと。
何か食べたい、疲れているから休みたい、
ゲームをしたい、テレビを見たい、という気持ちを我慢すること。
夕飯までどれくらい時間があるのか、だいたいの目標を立てること。
宿題をやっている間、問題に集中すること。
などなど、その他にも脳はたくさん働いています。
このような脳の働きを「実行機能」といいます。
この実行機能がうまく働かないと本人の意志とは関係なく宿題をやり遂げられない、ということが起きます。
もちろん、先生や親の指示の仕方が間違っているわけでもありません。
ただこういった実行機能は、ほとんど無意識でできてしまう部分なので、わざわざ注目されることもないのが現状です。
そのため、みんなは当たり前のように努力できていることがどうして自分だけできないのか。
周りも、本人も悩んでしまうのです。